産直や蔵肆 量から質の時代へ

「食べ方は生き方」をスローガンに、無農薬、有機栽培、無施肥栽培など地元の野菜中心に約2000アイテムを扱う自然食のお店です。生産者との交流、お野菜セットの宅配、料理教室などもやってま〜す。
宇佐の佐藤俊徳さんを訪ねてきました
2009年11月11日に、いつもお野菜をいただいている宇佐の佐藤さんのところにお伺いしてきました。
佐藤農園は宇佐神宮に程近い場所。佐藤さんのところは、数年ぶり。ご無沙汰しておりまーす。

園主。佐藤俊徳さん。農産物の物流をお仕事とされながら、45歳のときに帰郷、後を継がれて有機認証を取られました。先代から通して35年、ご自宅の周りに約2町の畑が広がる、という理想的な立地。

園主。佐藤俊徳さん。農産物の物流をお仕事とされながら、45歳のときに帰郷、後を継がれて有機認証を取られました。先代から通して35年、ご自宅の周りに約2町の畑が広がる、という理想的な立地です。

夏場はトマト、ミニトマト、クッキングトマト、キュウリ、なすび、ズッキーニ、ピーマン、カラーピーマン、いんげん、カボチャ、オクラ、にがうり、スイカなどなど。いまの時期(11月中旬)だと、ほうれん草、小松菜、水菜、春菊、玉レタス、リーフレタス、赤ほうれん草、チンゲンサイ、わさび菜、ルッコラ、カブ、九条ネギ、いんげん、サツマイモ、キャベツ、人参、コールラビ、などなど。この品種の多さには目が回ります。


青虫なんかを食べてくれるアオガエル。益虫です。

青虫なんかを食べてくれるアオガエル。益虫です。農薬を使えば青虫なんかはきれいに消えますけど、こういう益虫も同時に殺してしまいます。もったいないよね。


これが芯くい虫。根っこのかじられているところに、小さな虫がいるのが見えますか?小松菜、ブロッコリー、キャベツなどのなかに入り込んで、成長点を食い荒らしてしまいます。もちろん、商品になりませんし、ブロッコリーは脇芽ばかりになってしまいます。<br />

これが芯くい虫。根っこのかじられているところに、小さな虫がいるのが見えますか?小松菜、ブロッコリー、キャベツなどのなかに入り込んで、成長点を食い荒らしてしまいます。もちろん、商品になりませんし、ブロッコリーは脇芽ばかりになってしまいます。


以前、なすびにアブラムシがびっしりついて、全滅しかけたこともあったそうです。葉が真っ黒になっていて、見るに忍びない光景でした。全滅を覚悟した数日後、てんとうむしがどこからともなくやってきて、すべてアブラムシを食べてくれたそうです。翌日、たまたま視察にこられた方がアブラムシがいないのにたいそう驚かれたそうな(笑)


佐藤さん曰く、「健全でないものに虫がついたり病気になる。だから何もしない。人力で虫取りをすることもあるけれど、おのずと限界ってもんがあるだ。それよりも、土作りをきちんとやって「熟土」をつくり、健康な作物を育てることが大事」だと。
また、何も問題が発生しないより、問題が起こった方がいい。いろいろ考えてそれを一つ一つ克服していく充実感、それが農業なんだよ、ともおっしゃっておられました。


種を蒔く時期をずらして栽培している大根。右のほうが成長が良いのは、蒔き時期の違い。こうやって、収穫の時期をずらします。<br />


種を蒔く時期をずらして栽培している大根。右のほうが成長が良いのは、蒔き時期の違い。こうやって、収穫の時期をずらします。


お茶を頂きながら、自家製の小かぶの漬物をお茶うけにお話をうかがいました。

農業のスタイルはあれこれあります。自然農法、有機農法、微生物農法、バイオダイナミック農法、シュタイナー農法、など、など。きっと、農家さんの、畑の数だけ農法があるんだと思う。そのなかで、自分はどこを向いて仕事をするのか。

数をだして薄利多売でやろうと思えば、どうしても土から目が離れて、ほかのところに意識が行ってしまう。かといって、農業にかかりっきりになり、寝る暇も惜しんで体を壊してしまうのもまた。農業は、決して金銭的に大もうけできる仕事ではないのですが、多様なものを頂くことができる。宇根さんの文章の一節を思い出しながら、いろんなお話をさせていただきました。


佐藤さんは、農業の研修生の受け入れなどもされています。ウーファーな人、新規就農への足がかりを探りたい人、少量多品種栽培、かつローコストに畑をまわしていくやりかたを学びたい人。さすが、流通をされていた方なので、農業の知識だけでなく、経営のバランス感覚も絶妙です。


研修生の募集などもされているそうです。来年の春には、自費で研修生用の寮もつくられるそうです。関心のある方は、お気軽に鶴久までどうぞ。
つるひさ | permalink | - | - | △TOP |