産直や蔵肆 量から質の時代へ

「食べ方は生き方」をスローガンに、無農薬、有機栽培、無施肥栽培など地元の野菜中心に約2000アイテムを扱う自然食のお店です。生産者との交流、お野菜セットの宅配、料理教室などもやってま〜す。
馬場水車場の「おせんこう」入荷デス
こんにちわ。産直や蔵肆です。

馬場水車場の「おせんこう」のご紹介です。

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線香にもあれこれあって、大きく分けると香り線香と杉線香の二種類。

ベースは一緒なのですが、結着剤である「タブ粉」に香木の粉末を練りこんで固めたものが「香り線香」、杉の葉を主に使ったものが「杉線香」です。蚊取り線香なんかも、杉線香の仲間になります。

この「馬場水車場のお香」、原材料は奥八女の杉葉、そしてタブ葉。これを水車の動力を使い長臼で微粉末にしてお線香に仕上げています。


八女の水車製粉、はじまりは1918(大正7年)だそうです。八女の豊かな水資源と森林資源、そして熟練の水車大工の技術をバックに「線香粉製造」という集落あげてのビジネスに乗り出しました。当時のお金で2630円。現在で言うと約6000万円相当。

もちろん、一軒の家でまなかえる金額でもなく、八重谷集落の人々が出し合って水車場を完成させました。最盛期には八女地方に約40軒ほどあったといわれる水車製粉業者。当時は、あちあらこちらで、米の精米、小麦の製粉などさまざまな用途に使われていたのでしょうね。残念ながら今では、製粉場の動力はほぼ電気モーターとなっています。


しかし、馬場さんがこの手間のかかる水車を使い続ける理由。それは「第一次オイルショック」がきっかけでした。つい昨年にもあった石油危機。原因はさまざまですが、「再生可能な地域資源の継続的利用」が可能である、という点で水車動力は八女地方にもっとも適した動力だといえます。

また、原料となる杉の葉。ご存知のように八女地方は林業が盛んで、中山間地では農業と林業の兼業が普通でした。
その杉の木を切り出す時に邪魔になるのが枝葉です。山で伐採した際に、枝葉を落としてしまいます。つまり、木を切り出した際、そこに残った枝葉を馬場さんが片付ける、という流れなのです。ちなみに、曲がった木や間伐材などは、下駄の材料などになっていたようですね。


地元の材料を使い、地元の動力を使い、そして、そこから産み出される生産物を使い続けること。それが我々消費者のできること、だと思います。



もちろん、着色料(青くないです。杉の葉っぱは枯れたら茶色ですよー)、保存料(昔の線香は白いカビがきてましたね。防カビ材も燃えて空気中に拡散します)、結着材はタブ粉(正直もろいです)のみです。もちろん香料もつけていません。


そろそろ衣替えの季節です。同じく、瀬高で頑張っておられる内野さんの「天然樟脳」(日本ではここだけになりました)と一緒にお使いいただければ幸いです。店頭で見かけたら、ぜひ手におとりください。
つるひさ | permalink | - | - | △TOP |