無肥料 自然農法 北海道北見の秋場さんより、自然農法歳時記No.42が届きました
いつも、ジャガイモ、ニンジン、大根、そして銀手亡豆や黒豆などでお世話になっている、北海道北見で無肥料、自然農法をやりとげられている秋場和哉さんから、自然農法歳時記が届きました。
そのご苦労が伝わってくる内容です。ぜひ、一読されてください。
北見市を中心におそいかかった、10年に一度という8月18日、19日の集中豪雨に引き続いて、東太平洋から、オホーツク海にかけて、猛烈な雨風による船の転覆等により死者行方不明30数人に到った台風16号、17号くずれの低気圧により、10月7日、8日北見周辺、別海、営呂、佐呂間、遠軽、紋別の海沿いの町の河川下流地域が氾濫し、数千人の住民が避難勧告をうけました。90歳のおばあさんが生まれて始めての事と、発言されておりましたが、当地は冷害で収穫皆無となっても、台風の被害は殆どないという開墾以来100年の地域性でございました。
3年前の爆弾低気圧による豪雪で百棟単位の柱のない農業倉庫が、押しつぶれされ(当地は超低温のサラサラ雪で、積雪量少ない為、あまり雪に対する備えない)建物、機会に損害受けたのに引き続き、10年に1回という秋の収穫時の豪雨が2度も到来してくる現実は何を意味するのか。
明暗両面で、深く考察せざるを得ません。開墾投初、原生林を伐採し、根株が腐るまで馬と人の手で掘り出せるまでの間、菜種をばら撒いて油をしぼり、そして化学肥料農薬のない時代すぐに北限の地でも作付けで来たのは豆類であったと聞いております。
徐々に主食である米も作られるようになりました。しかし、百年前から近年に到るまで積算温度足りず、又春秋の霜害にあい、2〜3年に1度は冷害に見舞われ続け苦労が報われない田畑作北限の当地の農業事情でした。
しかし、玉ねぎビート等移植技術と機械の発達そして、効果的除草剤始め、農薬化学肥料の普及により冷害に強くほぼ計画通り収穫量確保できる産物が主体となったようです。(年によっては15回前後の農薬散布ある玉ねぎが全国一の生産量を誇っている)
しかし、使用する化学肥料農薬は甚大で、あわせて大型酪農地帯でもあり、でてくる糞尿堆肥の散布量もかなりございます。
結果的に向上のない風光明媚な大畑作酪農地帯において全道でも有数の河川の汚染と地下水汚染が農業によってもたらされ、海洋の沿岸漁業汚染にもつながっていると思われます。そして近年温暖化が進み冷害霜害減少しましたが、今秋のような豪雪、豪雨被害により、冷害知らずの大量の化学肥料、農薬使用作物の冠水、破棄被害が多くなってきております。
人間未来の健康を司る天職としての農業の筈がいつしか健康と環境破壊の元凶なってしまっている現実に天の警鐘が乱打されているのではと思えてなりません。
一方で七年前亡き恩師との約束果たそうと、土地条件にかかわらず改めて全面積で無肥料により自然界のエネルギーを効果的に取り込み、永続的な真に健康志向の農業の可能性を追求しようとしてまいりましたが、かなり積算温度が毎年、平均的に高まってきている近年、あまり土地力を消耗させずに根粒菌の働きで空間土中のエネルギー要素を取り込んで活力としていく豆類の栽培復活が一面で北限地帯でも暖かくなってきている、時の自然界の意志に順応していく事ではないかという確心を抱き始まっております。
しかしローテーションと適地適作をしっかり考察して作付けしましても、期待した成育で応えてくれる土地力にまで進化している土壌は半分以下の中、先日御報告したような協力者頂き、長年放棄(結果的には自然力回復されていた事になる土地)してあった土地が与えられ、既存の土地が一年でも早く土地力回復の進化を早める機会できた事、感謝にたえません。
今年度の除草管理期も、収穫期も私共常在スタッフに力を貸して下さっているのは、昔農家であった70歳前後の出面さん(パートさん)達です。
朝6:30から夕方5:30まで全力で腰を曲げつづけて除草に、収穫に頑張ってくれました。
除草機を適期に何度も効果的に使用する事により除草剤一発で仕上げる(玉ねぎ等は初期他の農薬と混ぜて2〜3回)農地ぐらいに、ニンジン、玉ねぎ以外のいも、豆類の初期除草技術と、機械の発達ができてきております。しかし問題は化学・有機肥料をたっぷり使用した作物と違うところは、初期除草後の茎と葉の成長がよほど土地力進化した土地以外では思うようにいかず、新たな二番草、三番草が収穫までどんどん成長してきます。
初期の機械技術と出面さんが必死に努力してくれたにも拘らず、収穫時にどこに作物があるのかわからなくなってしまいます。いもは枯葉剤アレルギーから10年程前より、茎葉チョッパーが開発され恩恵にあずかれるようになりました。機械を貸してくれていた、訓子府町福野麦作集団様より100万円以上する機械5万円で払い下げて下さいましたので、来年度からえん麦とクローバーの緑肥共生地でえん麦実を持つ頃、チョッパー利用できそうです。
豆類はどんなに短く草があっても刈り倒せる歩行型一条の刈り取り機が2台用意する事ができました(中古インターネットにより)。けれども、ともどもに草も刈り倒され、出面さんと常在スタッフが、腰をかかげつづけながら一本たりともお豆ムダにしまいと、草の中から取り出して、立て、によう積みして下さったお豆。
今回の二度目の水害で北見市中心部は堤防決壊までいきませんでしたが、水田休耕地等みるみる地下水位上がり、冠水状態となっていく時、出面さんの苦労を思い待ってて下さる消費者の皆様への約束果たそうと、必死にスコップで排水路作り、冷たい風雨にさらされながら、頑張り続けました。そんな時次々と頭に浮かんできた事は、除草も収穫もこんなに苦労するならやせている土地のところは有機肥料の使用も全面積無農薬無化学肥料だから一部に必要なのかなと・・・・。
トラクター何度も入れて、化石エネルギー消費し、全力で10時間以上も足腰ムチ打って除草、収穫継続し続ける事による健康上の過労も土地力未だのところでは、ムダ骨になるのではないかと・・・・。
結果的にはかかる経費がかさんで、いつもやっと年越せる経営状態なのだなと・・・・。
けれども、ここまで過酷に努力しなければ、人々の目を開かせるアンチテーゼの発信にはなりえないし、型として畑作北限地帯のこの地において、どんな条件のところでも、如何に工夫によってしっかりとローテーションを守り、経営成り立たせながら土地力進化の在り方の可能性を探っていかなければならない、自らの真命全うする事は、できないのだなと・・・・。納得している自分がありました。支えて下さる70歳前後の出面さん、そしていつも出面さんの先頭に立ち、スタッフや出面さんの助けも頂けなかった時も、30年やり通してくれた妻に心から感謝の想いがわいてまいりました。
そしてこうした経緯をしっかり把握、認識して下さる事により、生活者の皆様に皆様の心に魂が入り、私共との心の交流がより親密になっていけるのではないかと想いました。
今後ともよろしくお願いい申し上げます。ご心配いただきましたじゃがいも貯蔵選果拒否の件、8農協統合前の当相内農協支所長と担当が、頑張って下さって今年度に限りOK。そして面積半分弱の2町歩くらいに縮小して、北見市内の青果業者の施設使わせて頂けるよう次年度以降の交渉もして下さいました。ありがとうございました。